軽トラックの荷台に載っている荷物は補償されるの?
軽トラックの場合、基本的に雨ざらしのような荷台に荷物をポンと積んで、あちこち走ることが多いですよね。
その気軽さがいい、仕事の効率がよくなる、ということで重宝されている部分もあると思いますが、万が一事故に遭遇したら、積み荷が破損するなど、価値が無くなってしまうケースもあり得ますね。そういったとき、荷物について自動車保険では補償はどのような考え方になっているのでしょうか。
ここでは軽トラックの荷台の積み荷の補償について、みていきましょう。
交通事故の際の積み荷の損害「積荷損害」
交通事故で軽トラックの積み荷だったモノが壊れたり、使い物にならなくなった場合も、任意保険では補償の対象になります。
「積荷損害」として、加害者側へ、これこれのモノがいくら分積んであって、それがダメになった、ということを証明するなどし、請求するようですね。
また、一般的な社会通念上、予見ができる範囲のものでないと、賠償義務があるかどうか意見が分かれるケースもあるようです。
例えば、軽トラックの荷台に数億円の貴金属が積んである、なんてことは考えられませんよね。
仮にそういった請求をしたとしても、このケースでは、損害賠償の義務を免れる、といった場合もあるようです。
積載物は写真を撮っておき「損害物自認書」を作成する
軽トラックの積み荷が交通事故で損害を負った場合、どういったものが載せてあり、損害を受けたのかを明確にするために、それらのモノと価値が分かる書類を作成して、損害賠償請求をすることになります。
積み荷として載せていたものを
- ○○ … ××で購入 ▲月▽日購入、 〇〇〇円
- ▽▽ … ◆◆で購入 〇月×日購入、 ▽▲▲円
といったように、どこで購入したのか、いつ頃購入し、いくらだったのか、などをリスト化していくことになります。
損害を受けた積み荷がいつどこで買ったものか、インターネットでの購入などなら、履歴がしっかり残っているので、明確に出せて楽な場合もあります。
でもそうでない場合は、何がどれだけあるかわからない…いつ購入したかわからないし、いくらだったか覚えていない…という場合もあるかもしれません。
それでも、できる限りきっちりと書き出して、請求しなければ、賠償してもらえるものも賠償できないということになります。
書いてなければないのと同じと見なされてしまいます。
また交通事故に遭うと誰でも慌ててしまうものですが、積み荷として積んでいたものの損害が分かるよう、できれば直後に写真を撮っておくこと。
こうすることで、何がどのくらい載っていたのか、という根拠にもなります。
積載していたもので時価が分かるなら、その根拠を示す
またこういった話もあります。
積み荷として積んでいたものが、プレミアがつくような商品だった場合、その時価額をきちんと示すことができたことで、その価格での損害額が認められたケース。
これから売ろうと思っていたものでも、インターネット通販などのサイトで、売られている価格をプリントアウトするなどし、示すことによって、損害額の根拠として認めてもらえる場合があるようですね。
実際このケースでは、57万円あまりの請求で、55万円が認められた、とありました。
希少品を積んでいて、万が一事故に遭って損害を被った、という場合は、こういったかたちで根拠を明確に示すこともポイントとなりそうですね。
積載オーバーは除外されることも?
軽トラックの積み荷部分は、規定の積載量がありますよね。
何キロまで、という規定があるものですが、例えばそれを超えて重量オーバーな積み荷を積んで、交通事故に遭ったら、積み荷の損害は補償されるのでしょうか?
軽トラックではないのですが、これまでの事故の前例では、このように判断されています。
【平成8年 地方裁判所】
「トラックに76万円分の積み荷が載っており、損害を受けたと請求があったものの、積載オーバーしており、オーバーしていた分(10万円分)の部分については、予見不能であったとし、損害額としては(66万円)を認めた」
これは軽トラックの判例ではありませんが、積載量をオーバーしていた場合、それが交通事故の何等かの要因ともなるリスクもありますよね。
そう考えると、オーバー分を差し引いで損害を認めてくれるだけでもありがたいのでは?とも感じますが、これまでの判例では、積載量として認められる範囲の積み荷に関しては、きちんと金額を明示して請求すれば認められる、ということのようですね。
積載オーバーはしないに限りますが…。
【まとめ】積み荷の損害を認めてもらう手間は惜しまず!
いかがでしたか?
実際に交通事故に遭ったら、冷静に話を進めていくのは大変ではありますが、積み荷もきちんと損害の数、価格を示すことで、認めてもらえるものなんですね。
とはいえ、こういった知識がないと、請求すらしなくて、損をしてしまう場合もあるかも。
積み荷に関しても、損害があれば賠償が認められるため、面倒でもしっかりとリストを作って請求を。
弁護士などに相談できれば、さらにサポートとなるケースもありますので、任意保険に弁護士費用特約を付帯させておくのも良いかもしれませんね。